米村貴裕(よねむら たかひろ)
1974年横浜生まれ。近畿大学大学院卒。
2001年在学中にイナズマを起業。
2003年、博士(工学)号取得。
2006年、「パソコンでつくるペーパークラフトA」が文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に認定。
現在、有限会社イナズマ取締役・大学非常勤講師兼務。
ペーパークラフトやIT関連事業をこなしつつ、執筆活動を行う。
【主な著書】「ビースト・コード」(リトル・ガリヴァー社)
「脳を鍛える!ペーパークラフト/C++ はじめの一歩」(メディア・テック出版)
「やさしいC++ Part2/やさしいIT講座/パソコンでつくるペーパークラフト2」ほか3冊。(以上、工学社)
「Windows XPの前で“かたまった”ときに開く本」「手取り・足取りメール・ホームページ超マスター講座」「一夜づけのWord 2002」ほか17冊。(以上、明日香出版社)
「ユウタとりゅうとケナフのタネ」(ユニ出版社)

ブログ http://blog.livedoor.jp/arumenoy7/

   

最近は「ビースト作家」とか「ドラゴン作家」とかいわれるようになりました。ご本人としては抵抗がありますか。
まったくないです。むしろそう呼ばれて光栄です。ありがとうございます!
ですが「作家」という部分にそこまで、そんな、ええ? という意味を込め、自分では「ビースト・ライター」「ドラゴン・ライター」など「ライター」とのソフトな言葉を使っています。本がミリオンセラーになりましたら、転じて大作家に切り替えようか、なんて考えています。そんな感じです。


前回まで、「ライトノベル」=「ビーストシリーズ」=「萌え」という意味の質問をしています。
そして、これまで発表してきたものは、すべてビーストものに限定される。米村さんにとっての、「ビースト」、これは究極、なんでしょうか。
ロマンスの対象です。
積極的にそう、コンカツなんて言葉がありますが、ズバリその対象で、愛のシンボルだと考えています。お相手は姿もビーストで、言葉でも「ビースト」と呼ばれますが、自分にとっては究極のお相手であり象牙の塔に住まう「永遠のお姫様」なのかもしれません。
わたしの頭、少々危険でしょうか??


しかし、いつまでも「ビースト」ものでいけるか、持続して書き続けられるか、という問題が突きつけられるでしょう。それでも、ビースト以外のものは考えられませんか。
いまのところ考えられません。それしか芸がないともとれますが、まだまだ「卒業?」するつもりはありません。これぞ自分のアイデンティティーだとも思えています。
ですが万万が一「ビースト」ものでミリオンセラーくらいのすさまじく強烈な、ありえないほどのショックがあれば、固い考えも変わるかもしれません。めでたくゴールイン。こればっかりですが本音です。
ここまでよそ様もふくめて、ずっとビーストと共にやってきましたんで、もう死なばもろとも、でしょうか。とことんまでビースト街道を突き進んでみます。その先が天国か地獄かはわかりません。地獄のような気もしますが……。
こう強く言っておきながら別のこと、やっちゃいましたら笑ってください。


当社に寄せられる、いわゆるビースト応援団の「声」を聞いていると、世代が中学生ぐらいからと、極端に若い人たちです。
しかし、シリーズものすべてが「大絶賛」です。ビーストおたくなのかもしれませんが、なにか、こういう人たちの声には「萌え」を感じられる。
テンションが高いということは、米村作品も捨てたものでないとする読者層が育ってきた証拠だと思います。著者として、実感はありますか。
加えて、こうした読者との交流とか意見交換などはされていますか。
ありがたいことに、二〇〇九年お正月に「ビースト?」の会合に呼ばれたんですが、まさしく十代の方から四〇代の方までおられました。その場に共通するのは「ビースト」萌え?で、垣根はありません。
ある方は俗に言う「大人買い」されていました。ドドーンと他社さんのものもふくめて全部。テンションも高かったですし、うれしいお話です。
元々ビーストものという偏りがありますので、読者さんの年齢層も広く個性豊かなのだと思います。本がネタになること自体、強い実感につながります。
なにより拾ってくださった読者さんがおられて、ビーストものを継続できたことが、一番うれしいです!
交流はブログやメールがメインですが、許可とっていませんのでとてもオープンにできませんが、いい意味でこれまたバラエティー豊かです。挿絵を描かせろとか、代わりに“営業”してやるぞとか……。刺激的です。萌えやテンションともつながる部分があります。きつい一発もありますが、それは仕方ありません。
最近では読者さんと実際にお会いして、ヘタクソなサインを本にしてお別れしましたところ、本場北海道の超高級サーモンセット(好きなんです)がクール宅急便で送られてきました。ビーストとぜんぜん関係ないじゃなーい、と思いながらも感謝して食べまくりました。やはりパワフルです。


最近、小耳に挟んだこととして、一般の小説と、ライトノベルの違いについて述べられたくだりがあります。
それは、SF的基軸から繰り出される物語には、一般小説にはない、自由な発想のイマージネーションを働かせ、非現実的な世界に、リアル感や情感をこめた場面にしつらえることができる。制約のない、このノベルズの世界はきっともっと魅力的なものが描けるのではないかと思っています。
つまり、ライトノベルとしての、今後の可能性と、米村さんのビーストシリーズはどうなっていくのかとが密接に関わっていると思います。
難しいですね。法律的には制約がなくても、SFというものを取り入れますと“日本では太陽は西から昇る”なんてこと書けませんし、魅力的でもありません。仮にやるとしましてもわたしは、どこかただようリアル感が好きなので、SFFことSFファンタジーとして、隕石の衝突で地球の自転軸が変わったのだ! みたいなことを入れて、それっぽくすると思います。
制約を自分で作っておいて“制約をなくし”、つまりはノベルスの世界を奥深く突き詰めていくのが、今後の課題だと考えています。
最近、物語の主軸は「設定」か「キャラクター」かと悩んだことがあります。わたしの場合「設定」ありきだなぁと。
しかしライトノベルを含む物語全般でみると、強烈なキャラクターが居て、そこから物語がスタートするものが多いんです。ですので今後の可能性としてキャラクター(強烈なビースト?)からスタートする物語を書くのもテーマになりえます。
あとはシリーズとありますように「シリーズ」化でしょうか。「設定」ありきの物語だと書くのがとても苦しいんで、これまでやってきていないことを、やる必要があります。
ですが『ダイヤモンド・ビースト2』なんて要望、あります? 編集部宛てにご連絡を、なんて勝手に言っていいんでしょうか。ややお茶を濁しましたがこんな感じです。


最後に、ビーストシリーズ第6弾「ビースト・オブジェクター」の予告をお願いします。
先ほどのSFFからFがとれたような、それでいて頭に、いろいろな意味でハード(ウェア)と、これまでにない萌え、の肩書がついた内容だと考えています。とっても不可思議な内容でしょうか。 そのうえ、ロマンスの要素がこれまで以上に高く激しいもの、ですがやはり「ビースト」シリーズの仲間です。ビーストものの新しい顔としまして、ご支援いただけましたら、うれしい限りです。ありがとうございました!